文責:いっそう、たいち、ふぁーじ
前回、「有機化学と暗記」について少し持論を開陳いたしました。
結論として、
1.最低限暗記は必要ではある
2.とはいえ、全て暗記する必要はない。覚えたい人は覚えればいい
という話でした。重要な事として、頭に入れるにも方法を考えた方がよいと私は思っています。
とはいえ、別に無理に「こうしろ」と言うつもりは一切ございません。ここからは皆さん自身でどうするか決断いただいたうえで、該当の箇所へお進みください。
分岐点
A.単純暗記で乗り切るぞ!
B.単純暗記はしたくない……。
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A.
さて、ここからは単純暗記を選んだ皆さんに向けてです。
この度私達は「教科書網羅型有機化学系統図」なるものを作成しました。これを全て暗記しておけば、大学入試までの大抵のテストは乗り越えられるでしょう。この系統図を印刷するなりして繰り返し繰り返し頭に入れましょう。記憶の大原則ですが、「反復」なしに定着は望めません。自分で記入する用の練習プリントとして白系統図も付けていますので、確認などに是非ご活用ください。ここからは大変な道のりだとは思いますが頑張ってください!
→教科書網羅型有機化学系統図(左のリンクから系統図用のページに遷移できます)

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B.
「単純暗記は嫌だ。」という皆さん、ようこそお越しくださいました。
勉強の内容をテストの為だけにその場しのぎで頭に入れても、その過程は苦しいでしょうし、すぐに忘れてしまう知識が大半だというのは皆さんの経験からも明らかでしょう。それに、特に大学以降で理学や工学をはじめとするいわゆる“理系”の勉強をしたいと思っているなら、単純暗記は本当におすすめしません。自分でじっくり考え、咀嚼反芻し理解することで真に身についたと言えるでしょう。今のうちに「思考する」クセを付けておかないと、大学に入ってから本当に後悔することになりますよ。(特に理学部)
とはいえ、ではどうすれば考えながら勉強することができるのか、自分の力だけでは少し不安もあることでしょう。そこで危険科学部では、高校有機化学の内容を考えながら身につけるための連載を始めることになりました。多少発展的なことにも触れつつ、有機化学を通常の高校有機化学より少し深いレベルで解説します。私達と「有機マスター」、いや「有機ドクター」を目指しましょう()。
また、私達は高校有機化学で学ぶ内容を1枚にまとめた「教科書網羅型有機化学系統図」を作成しました。以下のリンクから系統図に移ることが出来るので、是非予習復習にご活用ください。
→教科書網羅型有機化学系統図

この教科書網羅型有機化学系統図ですが、おすすめの使い方は「辞書的に参照する」というものです。教科書などで有機反応を勉強する際、一体自分は今何から何を合成しているのか、足下が見えなくなるときは多々あります。そんなとき、この教科書網羅型有機化学系統図を、ある種の辞書のように参照し、自分が今、この広大な有機化学の世界のどこにいるかを確認してください。きっと迷子から抜け出せるはずです。
この教科書網羅型有機化学系統図が、有機化学に初めて触れる皆様の羅針盤となることを切に願っています。
参考文献
1)辰巳敬 ほか16名,“改訂版 化学”,数研出版,東京(2021)
2)竹内敬人 ほか20名,“改訂 化学”,東京書籍,東京(2020)
3)齋藤烈・藤嶋昭 ほか19名,“化学 改訂版”,啓林館,東京(2020)
※高等学校用の検定教科書に関しては、入手出来うる限り新しいものを参照した。
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