文責:いっそう、たいち、ふぁーじ
はじめに
本系統図は高等学校の「化学」の教科書に準拠しています。以下、教科書網羅型有機化学系統図の利用方法、活用方法を説明します。有効利用にお役立ていただければ幸いです。
表記について
* | 優先度の低い化合物を表します。入試で問われる可能性はありますが、率先して覚える必要はありません。 |
† | 教科書範囲外の化合物を表します。反応プロセスを詳細かつ明確にするために系統図に入れています。入試で問われる可能性は低いです。 |
〈 〉 | 反応名を表しています。 |
{ } | 何らかの反応により生じた物質が他の反応で利用されていた際、その反応における用途、役割を表しています。 |
[ ] | 反応に用いられる触媒を表しています。特に、[H⁺]とは、酸を触媒に用いていることを表します。 |
( ) | 反応や物質に関する補足情報を表しています。 |
内容
第1面:一般的な有機化合物、及び高分子化合物を取り扱っています。入試で問われやすい内容 については、呈色反応も掲載しています。
第2面:糖類、アミノ酸、核酸を扱っています。アミノ酸については、全ての構造式を覚える必 要はありません。
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※本系統図内には、多少簡略な反応機構を記載していたり、厳密には考慮すべき条件を省いていたりしますが、ご了承ください。また、本系統図では高等学校の教科書3社分を比較し、掲載されている基礎的な有機化合物を優先的に取り扱いました。そのため、発展的な化合物や反応については全てを網羅しているわけではありませんのでご了承下さい。また、単純タンパク質と複合タンパク質については省きましたこともあわせてご了承ください。
※本系統図の利用、配布等は系統図内にて指定しているクリエイティブコモンズに従い、営利活動を除いて原則ご自由に行って頂いて構いません。詳しくは、CC BY-NC(Creative Commons Attribution-NonCommercial)についてご参照ください。
さいごに
系統図をマスターすると、有機化学の点数は安定しますが、是非とも個々の反応のメカニズムについても理解をするようにしてみてください。例えば、スルホン化やニトロ化。私は初めてこれらを習った際、不思議でたまらない点が1つありました。ところが、両反応にある一つの共通点を見いだしてからこれら反応だけにとどまらず、同一の特徴をもつ反応への解像度が高まりました。思考力を使いながら本系統図を使用されることを皆さんには強く勧めます。その際、どうぞ他のサイト、文献も使ってみてください。
また、本系統図製作にあたりご協力いただきました、O先生をはじめとしました全ての皆様にこの場をお借りしまして心より御礼申し上げます。
2022/11/28 危険科学部
2023/02/05 一部内容を修正しました。
2024/05/23 Web公開にあたり、内容の見直しとレイアウトの大幅な変更を行いました。
2024/05/24 クリエイティブ・コモンズ・ライセンスCC BY-NCを付与しました。
2024/08/23 新たに啓林館の教科書も参照し、参考文献に加えました。
2024/11/18 内容に誤りがあったため訂正を行いました。
2025/01/08 内容に誤りがあったため訂正を行いました。
系統図製作に際し使用した参考文献
1)辰巳敬 ほか16名,“改訂版 化学”,数研出版,東京(2021)
2)竹内敬人 ほか20名,“改訂 化学”,東京書籍,東京(2020)
3)齋藤烈・藤嶋昭 ほか19名,“化学 改訂版”,啓林館,東京(2020)
※高等学校用の検定教科書に関しては、入手出来うる限り新しいものを参照した。
コメント
ナイロン66
[-NH-(CH2)6-NH-CO-(CH2)6-CO-]n
になっていますが、
[-NH-(CH2)6-NH-CO-(CH2)4-CO-]n
ではありませんか
N/A 様
コメントいただきありがとうございます.
ご指摘の通り,ナイロン66の構造式
[-NH-(CH₂)₆-NH-CO-(CH₂)₆-CO-]n
ではなく,
[-NH-(CH₂)₆-NH-CO-(CH₂)₄-CO-]n
であり,系統図内の表記は誤りを含んでおりました.至急系統図を更新いたします.
危険科学部