戦艦大和建造日誌

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文責:いっそう、津雲

※本記事はプロジェクトの進行に伴い逐次更新いたします。更新した際には公式Xにて広報いたします。また、本文中には不勉強により迂闊な物言いが生じている場合があります。歴史的事実に関わるところは特に注意をして裏取りを行ってはおりますが万全ではない可能性があることをご承知おきください。

1.4月1日_出会い

 東京都千代田区神田神保町。都心にありながらどこか上品で賑やかなこの町には日本有数の古書店街がある。その日も私たちはいつもの道を使って神保町へ赴き、何か面白いものがないかと、目を大皿にそぞろ歩いていた。私たちが二人でここを訪れるとき、必ず立ち寄る場所がある。大きな通りの五叉路の角に、戦争の記録が静かに並ぶ、私たちのお気に入りの書店がある。

 いつもと変わらぬ店の雰囲気。店主はその日も大切そうに本を磨いているところだった。いつもの通り店を歩き回る私たち二人の目に、その日はある本が飛び込んできた。

 『戦艦大和 設計と建造』(アテネ書房)1)

 迷わず手に取った。中には大型の本と大きな黄色の封筒、封筒を開くとなかには4枚の青図。これを見た私たちの胸中にある思いは同じだった。顔を合わせた私たちの口からは、同時に同じ言葉が飛び出した。

 「これ、つくろう。一から木材とかで僕らの大和を作ろう。」

 かくして私たちは、戦艦大和を(小スケールで)再現しあわよくば水に浮かべようという極めて無謀な計画に邁進することになった。

 あの日、あの本屋さんでこの本と出会えたのは幸運としか言いようがない。今はただ、出来上がったあとの私たちの大和に妄想を膨らませることしかできない。


参考文献
1)松本喜太郎. 戦艦大和 設計と建造. 1 Sept. 2000.

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